2009/09/18

President Words

任天堂の岩田聡社長の言葉.
「人がいやがることや,人が疲れて続けられないようなことを,延々と続けられる人」それが「天才」だとわたしは思うんです.それは,その人にとって苦行じゃないんです.それを苦行だと思う人は,苦行じゃない人には絶対勝てない.だから,才能なんだと.自分が苦労だと思わずに続けられることで,価値があることを見つけることができた人は,それだけでとても幸せだと思います.

物事って,やった方がいい事の方が,実際にやれることより絶対多いんですよ.
だから,やった方がいいことを全部やると,みんな倒れちゃうんです.ですから,オレたちはなにが得意なんだっけ,ということを自覚したうえで,「何は,何より優先なのか」をはっきりさせること.順番をつけること.それが経営だと思います.

プログラムというのは,純然たる,純粋なロジックなので,矛盾がひとつでもあったら,そのシステムはちゃんと動かないんですね.だから,システムが動かないとしたら,それは明らかに自分のせいなんですよ.私は人と人とのコミュニケーションにおいても,うまく伝わらなかったらその人を責めずに自分の側に原因を探すんです.
それはきっと,プログラムをやっていたおかげですね.

新しく社会に出たばかりの人は,いろんなことを知らなくて当たり前なんですから,「知らないことを恥ずかしがらない」」ということがすごく大事だと思うんです.その一方で,いかに同じことで何度も他の人を煩わせないかということ.結局,新人が会社から一番求められていることは「飾るな」ということなんです.「俺って結構賢いでしょ?」って思わせるようなことは,先輩にはみんなバレますから.

本当は得意になる才能を持ってるんだけど,「オレは苦手だ,わたしは苦手だ」って本人が勝手に思ってることってあるんですよ.たとえば世の中に「オレはマネージメントが得意だ」って最初から思ってる人なんていないんですよ.

あのね,どういうわけか,明らかに説教しやすい人と,しにくい人がいるんですよ.安心して「バカもん!」と言える人と,腫れ物に触るように叱らないといけない人がいる.で,これはねぇ,ものすごい差なんです.こちらから与えられる量も,その人が吸収できる量も,ものすごく変わってくるんですよ.

「アイデアというのは複数の問題を一気に解決するものである」これは宮本茂さんがゲームをつくっているときに言ったことばです.ひとつ思いついたことによって,これがうまくいく,あれもうまくいく・・・・.それが「いいアイデア」であって,ディレクターと呼ばれる人の仕事は,それを見つけることなんだって宮本さんは考えているんです.

自分たちは,なにが得意なのか.
自分たちは,なにが苦手なのか.
それをちゃんとわかって,自分たちの得意なことが活きるように,
苦手なことが表面化しないように組織を導くのが経営だと思います.

自分たちがつくるものに対して,最初,お客さんは,対して興味がないどころか,まったく興味がない.そこから,はじまる.そこから,愛してもらうというか,わたしたちのつくったものに触れてニコニコしてくれる状態にまで線をつないでいかないと
こっちの負けだって思ってますね.

明らかに自分と意見の違う人がいる.それは,理不尽にさえ思えるかもしれない.でも,その人にはその人の理屈と理由と事情と価値観があるはずなんです.そして,自分ができないことをできたり,自分の知らないことを知っていたいたりする.そのことに対して,敬意を持つこと.この敬意が持てるかどうかで,はたらくことに対するたのしさやおもしろみが,大きく変わってくるような気がします.

人は,まずその対象に,自分のエネルギーを注ぎ込むんですね.時間だったり,労力だったり,お金だったり.そして,注ぎ込んだら,注ぎ込んだ先から,なにかしらの反応が返ってきて,それが自分へのご褒美になる.自分が注ぎ込んだものより,ご褒美の方が大きいと感じたら,人はそれをやめない.だけど,帰ってきたご褒美に対して,見返りが合わないと感じたときに,人は挫折する.

「残業してないやつより残業してるやつの方がえらい」とか「あいつは早く帰ってるけど,オレは遅くまでがんばってる」みたいに言いますけど,本当は,それ,間違いなんですよ.だいたい人間って,自分の得意なことと他人の不得意なことを比べて不公平だって文句を言うんですよ.それは,自分でも,知らず知らずのうちにやってしまうことがあります.

そもそも会社というのは,持ち味のちがう普通の人が集まって,ひとりでは実行できないような巨大な目的を達成するためにあるわけだから,最低限,苦手だろうがなんだろうが,やってもらわないと困るということを決めないとひとつの方向に向かって全員が歩けないんです.というときに,その「最低限のこと」をなるべく小さくすることが,経営者として正しいんじゃないかなとわたしは思うんです.

考えさせられる言葉ばかりだ.
こんな人の下で働きたい.

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